トナリのあの子

鈍い音がした。
皆廊下に集まる。


クラスの奴も、先生も、由那も…。

由那はその光景を見るなり真っ青になりながら、俺達に近づいてくる。


由那…違う
俺じゃないよ。俺じゃない。

冷静な口で由那が言う。


“誰がやったの”
“…コイツが勝手に落ちたんだよ!”

そう言ったのは、金髪に髪を染めた男子。


その瞬間


パシン.


“最低。人間のグズ”




打たれたのは俺じゃない。
言われたのは俺じゃない。

だけど無駄に臓が速くなる。

由那は…俺のこと嫌いになった?


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