僕を殺してください
2.メゾとシェゾ、創る者と壊す者の会話
暗い闇に包まれた空間。
そこに佇む2人の姿。
視線の先には、大きな箱庭。
「メゾ、また観てるのか。」
メゾと呼ばれた人物、白く長いローブを着ている。
「リュークは私が初めて創った世界だからな…。」
メゾは微笑み、優しい眼差しで箱庭を見つめた。
「だが、そろそろ俺の出番のようだぞ。」
黒く長いローブを着た人物は、メゾの顔を窺うように問う。
「シェゾ、それがお前の役目だ。私は信じるさ、人間を。」
シェゾは呆れた風にため息を吐いた。
「人間を信じるなど、よくできるな。人間なんぞ欲深で浅はかに過ぎない。」
白いローブを引きずり、メゾはシェゾの目を見る。
「それでも、信じる価値はあるはずだ。人間の命は短い。だからこそ、懸命に生きる姿を見るのが楽しみなのだ。」
暗闇にある箱庭は1つに限らず、この広い空間に幾つも創られていた。