俺はキミの生徒
あれからどれくらいゲーセンにいたんだろう。
ダメなんだよな、新とゲーセンに来ると時間を忘れちまう。
それくらいマジになるんだ。
俺と新の特技はUFOキャッチャー
2人でゲーセンに来ればどっちが多く取れるか競う。
『んじゃ、また明日』
駅で新と別れる。
『柚木ちゃんに逢っても素っ気ない態度、とるなよ』
分かってるよ、と答え、俺は新に背を向けた。
そして電車に乗る。
電車に揺られること10分
俺の家は駅から徒歩数分の2LDKのマンション
もちろん独り暮らし。
でも学校には実家の住所を言ってある。
そうした理由は特にないんだけど。
オートロックに鍵を差し込みエレベーターに乗る。
ちなみにうちは会社を経営していて。
世間一般で言う金持ちだ。
だからこうして独り暮らしをさせてもらえる。
そして俺のお隣は…
『…あ』
「……春谷くん」