俺はキミの生徒
「なんか作ろうか?」
知らない間に新は爆睡。
お前は何しに来たんだ、いったい。
『あ、いや。大丈夫』
志帆は立ち上がりかけたが俺の言葉を聞き、座り直した。
「まだだるい?」
『まあちょっとな』
「体調悪いのに申し訳ないんだけど、少し話し聞いてくれる?」
志帆は頬杖をつき、窓のほうに視線を向ける。
『どうぞ。』
俺はそんな志帆の横顔を見つめた。
「ここ2,3日柚木ちゃんの様子がおかしいの。」
志帆は俺のほうに視線を戻した。
「上の空…っていうかなんて言っていいか分かんないけど、心ここにあらず、って感じ。
はっと気づいてもなんか、フワフワしてて。
元気がないのはあからさまに分かるし。
いつものような張りもない、っていうか…
柚木ちゃんなんだけど、柚木ちゃんらしくないんだよね。」
志帆は溜め息混じりに呟く。
原因はもしかして…俺?
あのとき、抱きしめちゃったから?
それともあの、慎ってヤツ?
柚木ちゃん…大丈夫なのか?