俺はキミの生徒
「そう言えばさ、修司」
志帆は真剣な眼差しで俺を見つめる。
「違ってたらごめんね。
修司…柚木ちゃんのこと、好きでしょ?」
俺の顔を覗き込む志帆。
なんだか心の中を覗かれてるようで、少し気分が悪かった。
『別に…好きじゃねぇし』
そう答えるのが精一杯で。
瞳が揺れた。
「そ。まあその言葉、信じるわ。
もう1つ質問」
次は何を聞くつもりなんだ、コイツ。
「隣…木下、って名字だった。
ありきたりだからなんとも言えないけど…もしかして、隣に住んでるのって柚木ちゃん?」
女のカンは鋭いとは聞いていたがここまでとは…
『ああ、そうだよ』
これに関しては隠す必要もないだろう。
そう思った俺は素直に頷いた。
「やっぱり。
見た瞬間、なんかそう感じたんだよね」
そう頷く志帆。
女って生き物は怖い。
俺が思ったのはこれだった。