俺はキミの生徒
そう。俺のお隣は
『ども、柚木ちゃん』
数学の先生、柚木ちゃんなんだ。
最初はビックリした。
と、いうか自分の運の悪さに溜め息がでた。
だってお隣が教師って…どうよ?
でも、柚木ちゃんのことはいつの間にか好きになってて。
むしろ、感謝している。
「まだ…怒ってる?」
ドアを開けようとした俺に柚木ちゃんは聞く。
『別に。もとから怒ってなんかないし』
ふと、横を見ると柚木ちゃんはうる目で。
え?!
なんでうる目?!
『どうした?柚木ちゃん』
俺は握っていたドアノブを離した。
「だって春谷くん…怒ってるから…
だから…」
今にも泣き出しそうで。
『ホントに怒ってないから。
だから、泣くなって』
ってか柚木ちゃん…ホントに教師か?
生徒が怒ったからって泣きそうになるって…どうなんだよ?