俺はキミの生徒
『なぁ、志帆』
授業中。
小声で志帆に声をかける。
「ん?なに?」
『新になんて言われたんだよ?』
あぁ…と声を漏らす志帆。
なんだ?そのリアクションは。
「大事な…大事な…ファーストキス奪ってごめん、
って言われた。」
なぜか不満顔の志帆。
『なんか不満でもあったのか?』
あまりにブスッとした顔をしているから聞いてみた。
「いや…なんでファーストキス奪って、なの?って思ったから。」
『え…ファーストキスじゃなかった?』
まさか俺の見当違い…?
「いや…あってるけど、あってるけどさぁ…」
志帆は何を言いたいんだろう?
「そんなこと言わなくてもいいと思わない?
一応…あたしだって気にしてるワケだし。」
はぁ…と溜め息をついた志帆。
そういうことか。
志帆はそれを気にしてたんだな。