俺はキミの生徒
「はい、じゃあ全員揃ったかなぁ~?」
生徒会室は冷房完備。
床は絨毯敷き詰め。
いつも使っている教室より少し狭いくらいの広さ。
なんだ?この金のかけようは。
俺はなめ回すように生徒会室の中を見ていた。
「春谷くん?話、進めて大丈夫?」
ホワイトボードの前に立つ柚木ちゃん。
『あ、どうぞ』
そう言えば柚木ちゃん、生徒会の担当って言ってたっけ…?
「じゃあとりあえず!自己紹介から始めようかな。
まずは…会長さんからどうぞ。」
そう言うと1番前に座っていた男子生徒が立ち上がった。
誰だ…?あの人。
スラッとした体型に少し着崩した制服。
やけに大人びた顔立ちに黒縁眼鏡の奥の目が鋭く光っていた。
『3年B組 佐々木 瑠李(ササキ ルイ)だ。
今期、会長を務めさせてもらう。
よろしく』
パチパチとどこからともなく起こる拍手。
なんだろ…あの人。
放ってるオーラがとんでもなく大人っぽい。
俺にはない、何かを持っていると直感で感じた。