俺はキミの生徒
あれから2時間後。
仕事を終えた木下姉妹はやってきた。
「久しぶり!だよね、新くん!」
うちに来た加奈さんは異様にテンションが高くて。
とても失恋した人のようには見えなかった。
でも、もしかしたら無理してるのかもしれない。
『そうですね…』
新は頬を赤く染め、照れまくり。
友達のこういう姿見るのってすげぇーおもしろい。
「修司も元気にしてた?」
そう言えば加奈さんに会うのって2週間ぶりくらいか?
『まあまあですよ。
それよりビールありますよ』
「それ、もらった!」
加奈さんはキンキンに冷えたビールを嬉しそうに両手に持ち、机の前に座った。
「修司」
後ろから呼ばれる。
振り向かなくても分かるこの声。
『お疲れ、柚木ちゃん』