俺はキミの生徒





『千絵、昨日なんで帰った?

俺、サボんなよ?って言ったよな?』


瑠李先輩は腕組みして睨み付けている。


でも千絵先輩は怯んでいない。




「瑠李、昨日なんで家に帰ってこなかった?」


家に…帰ってこなかった…?

千絵先輩それ…どういうことですか?


前に座っていた新田先輩の顔が真っ赤に染まる。



『…おまっ…ふざけんなよ』


初めて見た。

瑠李先輩が動揺したところ。


隣の千絵先輩は誇らしげだ。

きっと兄を負かした優越感に浸っているんだろう。




「だいたいね、瑠李。

あんた…アホよ?


なんで自分たちはデート行ってラブラブしてんのに

こっちはまともに仕事しなきゃいけないワケ?


そんなの、不公平じゃない。

ね?修司?」


千絵先輩…

お願いですから俺に話を振るのだけはやめてください…



俺は俯き、黙り込む。


ダメだ。

この兄妹、どっちも怖い。


怖すぎて頷くことも首を横に振ることもできない。








< 167 / 306 >

この作品をシェア

pagetop