俺はキミの生徒
『千絵、昨日なんで帰った?
俺、サボんなよ?って言ったよな?』
瑠李先輩は腕組みして睨み付けている。
でも千絵先輩は怯んでいない。
「瑠李、昨日なんで家に帰ってこなかった?」
家に…帰ってこなかった…?
千絵先輩それ…どういうことですか?
前に座っていた新田先輩の顔が真っ赤に染まる。
『…おまっ…ふざけんなよ』
初めて見た。
瑠李先輩が動揺したところ。
隣の千絵先輩は誇らしげだ。
きっと兄を負かした優越感に浸っているんだろう。
「だいたいね、瑠李。
あんた…アホよ?
なんで自分たちはデート行ってラブラブしてんのに
こっちはまともに仕事しなきゃいけないワケ?
そんなの、不公平じゃない。
ね?修司?」
千絵先輩…
お願いですから俺に話を振るのだけはやめてください…
俺は俯き、黙り込む。
ダメだ。
この兄妹、どっちも怖い。
怖すぎて頷くことも首を横に振ることもできない。