俺はキミの生徒
「なんで最後に疑問符なワケ?
自分のキモチ、あやふやにしないでよ」
そう言われても…
正直、自分でもよく分からない。
ただ気づいたら柚木ちゃんが好きで。
恋は落ちるものなんだ、って知ったから。
「守ってあげたくなる…かぁ…
あたしも1回でいいから言われてみたいなぁ…」
千絵先輩はそう呟く。
『けど…生徒に言われたって迷惑なだけだと思いませんか?
だいたい生徒って時点で自分より年下なワケじゃないですか。
年下に守ってあげたい、なんて言われたくない…と思うんですよ』
そう言うと千絵先輩は立ち上がった。
「何言ってんの!
年下だろうが生徒だろうが女の人は守ってもらいたいものよ?
守ってやりたい、って言われたら誰だって嬉しいに決まってるじゃない」
千絵先輩は切なげな目で空を仰ぐ。
空には雲が1つも浮かんでいなくて。
ただどこまでも青く、広い空が続いていた。
「竜司に言ってもらいたい…
お前を守ってやりたいんだ、って…」
『……………佐々木』