俺はキミの生徒
「え…?」
千絵先輩が聞き返す。
『お前は教師やってる俺が好きなのか?
それとも…一人の男として、俺が好きなのか?』
そう言う柴田先生の顔は真剣そのもので。
俺の心臓がドクドクと大きな音を立てていた。
「そんなの…決まってるじゃん…
1人の男の人として竜司が…好き、なんだよ…」
そう言った途端、千絵先輩の瞳から大粒の涙が溢れ出した。
屋上の地面に涙の跡が広がっていく。
そんな千絵先輩を引き寄せる男の腕。
『俺…お前のこと、守ってやりたい。
この腕で、お前のこと、守りたいんだ』
そんな言葉に俺は自分の耳を疑った。
その前に自分の目を疑った。
これは…現実か?
今…なんで千絵先輩は柴田先生の腕の中にいるんだ?
今…柴田先生、なんて…言った?