俺はキミの生徒
「…りゅう…じぃ…」
『泣くなよ…千絵』
俺は物音をたてずに慌ててその場を立ち去った。
今のは…俺の胸だけに収めておこう。
そう心に誓う。
屋上の扉を開けた。
『…………っ?!』
突然、細い腕に掴まれた。
な、なんだ…?!
「シッ!」
って…柚木ちゃん?
柚木ちゃんは俺の腕を掴み、黙ったまま階段を下りていく。
ってなんで…あんなところにいたんだ?
「しゅう…じゃなくて春谷くん!
もうちょっと早く出てこないとダメでしょ!」
はっ…!?
なんだよ…突然。
目の前の柚木ちゃんは両腰に手を当てて仁王立ち。
俺…なんか悪いことした?
ってか学校なのに修司って呼びそうになってるし。