俺はキミの生徒





「…りゅう…じぃ…」


『泣くなよ…千絵』


俺は物音をたてずに慌ててその場を立ち去った。



今のは…俺の胸だけに収めておこう。

そう心に誓う。


屋上の扉を開けた。




『…………っ?!』


突然、細い腕に掴まれた。


な、なんだ…?!



「シッ!」


って…柚木ちゃん?


柚木ちゃんは俺の腕を掴み、黙ったまま階段を下りていく。


ってなんで…あんなところにいたんだ?




「しゅう…じゃなくて春谷くん!

もうちょっと早く出てこないとダメでしょ!」



はっ…!?

なんだよ…突然。



目の前の柚木ちゃんは両腰に手を当てて仁王立ち。



俺…なんか悪いことした?

ってか学校なのに修司って呼びそうになってるし。









< 183 / 306 >

この作品をシェア

pagetop