俺はキミの生徒
『柚木ちゃんと同じこと…?』
聞き返すと柴田先生は大きく頷き、言う。
『俺、木下先生にも同じこと聞いたんだよ。
俺はおかしいですか?って。
そしたら春谷と同じで
全然おかしくなんてない、って言ってくれてさ。
俺、その言葉で真剣に自分のキモチと向き合おう、って思えたんだよ』
そう言った柴田先生の表情は晴れやかで。
この人ならきっと、千絵先輩を幸せにしてくれる。
そんなことをふと、思った。
『俺、絶対誰にも言いません。
だから…』
『だから…?』
『絶対、千絵先輩のこと泣かさないでください。
お願いします』
俺の言葉を聞いた柴田先生は笑う。
『千絵の親御さんみたいだな』
って言いながら。
こっちは真剣なのに。
『春谷。任せとけ。
千絵のことは絶対に泣かさない。
俺がアイツを守るから』
柴田先生は表情を一変。
真剣な顔つきで俺の肩を叩いた。
俺が聞きたかったのはその言葉だ。
『俺がアイツを守るから』