俺はキミの生徒

テレパシー…?

本気で、疑った。



『…なんだよ、突然』


そう言うと柚木ちゃんはふっと笑い言う。



「ずっと…修司があたしの生徒じゃなくなってもこうやってベランダ越しに他愛もない話して、笑ってられるのかなぁ…

って思っただけだよ?」


柚木ちゃんの無邪気な笑顔が頭に浮かんだ。


そっか…

そうだよな。


そんな、深い意味があるワケじゃないよな。



『柚木ちゃんがずっと、そこにいてくれるならいられるんじゃねぇーの?』


ぶっきらぼうな言い方しかできない自分が憎い。



「なんかさ、今日の修司、ちょっとヘンだよ」


柚木ちゃんはなぜか声をあげて笑い出した。



いろいろ、疲れているのかもしれない。

ふと、そんなことを思った。


人間、疲れすぎるとおかしくなる。


今の柚木ちゃんはおかしい。

きっと、疲れてるからだ。



『柚木ちゃん、あんまり…無理、すんなよ』