俺はキミの生徒
『…加奈さんっ』
懸命に堪える俺。
『…可愛いっすね』
そう言ったと同時に吹き出す俺。
ヤバイ…かなりおもしろい。
腹を抱えて笑う俺へ加奈さんの拳が入る。
『うぐっ…!
痛いっすよ…加奈さん…』
「修司!
からかうんじゃないの!!」
いや…そんな顔見たら誰だってからかいたくもなりますよ。
耳まで真っ赤にして、いつもの加奈さんじゃなく、恋する乙女みたいな顔しちゃって。
「加奈。
落ち着いて?1回、飲んだら?」
柚木ちゃんが慌てて加奈さんのグラスにシャンパンを注ぐ。
立ち上がっていた加奈さんは自分の場所に戻り、シャンパンを飲んでいる。
…ってか、1つだけ。
さっきからちょっとだけ、気になってた。
聞こえていたはずなんだけど、
いつの間にか新の寝息が聞こえなくなっていた。
チラッと新を見るとうっすらと目が開く。
そしてちょっと困った顔で俺を見る新。
まさか…コイツ、さっきの加奈さんの言葉…聞いてたのか?