俺はキミの生徒
『加奈さん…酔い醒ましに…初詣、行きませんか?
俺、人が少ない神社…知ってるんです』
さっきよりすっきりした表情をしている新は戻ってくるとそう言った。
「え?…新?」
ビックリしたように目をパチクリさせる加奈さん。
『俺が支えるんで、行きましょう』
加奈さんのコートを取る新。
「…うん。分かった」
加奈さんは新からコートを受け取り、羽織る。
「じゃ、ちょっと行ってきます」
『…行ってきます!』
おぼつかない足取りの加奈さんの肩を抱く新。
なんだかいつもより、頼もしく見える。
「ね?修司?
どういうこと?」
ポカンとしていた柚木ちゃんは我に返ったのかそう聞いてくる。
『実は新、起きてたんだよ。
だから加奈さんの好きかも、っていうの聞いちゃったらしくて。
ま、告白でもする気なんじゃね?』
「…あら…ま…」
理解しているのかしていないのかよく分からないリアクション。
ま、混乱する気持ちもよく分かるけどな。