俺はキミの生徒
『加奈さんが教えてくれたら教えます』
そう言うと加奈さんは
「新が教えてくれたら教えるよ」
そう言ってニヤッと笑った。
『イヤですよ~』
「あたしだってイヤだよ!
だって願い事は口に出したら叶わない、って言うでしょ?」
真っ暗な中、俺と加奈さんを照らすのは1本の街灯だけ。
『じゃあなんで俺の願い事、聞こうとしたんですか~』
「だって知りたかったんだもん!」
無邪気な顔で笑う加奈さん。
とても、年上のように思えない。
「はぁ…
キレイだなぁ…」
街灯に照らされ、舞う雪はキラリと輝く。
何にも飾られず、
ただどこまでも白い雪。
優しい瞳で空を見上げる加奈さんを、
心の底から愛おしい、そう思った。