俺はキミの生徒
■ Side 加奈 ■
『俺じゃ…その人の代わりにはなれませんか?
俺じゃ…ダメですか?』
新の腕の中に閉じ込められたあたし。
そして、耳元でそんな切ない囁きが聞こえて来た。
「……あら…た…?」
ドキドキと大きな音をたてる心臓。
寒いはずなのに、どうしてか体中が熱かった。
『俺…スキです、加奈さんのこと。
どうしようもないくらい…スキなんです。
別に、元カレがまだ好きでもいいです。
俺、絶対に加奈さんを泣かせたりしません。
絶対に、加奈さんのこと大事にします。
だから…だから…俺と、付き合って下さい』
ストレートの告白。
まさか年下の、それもまだ高校生の新に告白されるなんて思ってもなくて。
自分の想像以上に動揺してるあたしがいる。
1度、動揺を抑えるために深く呼吸する。
そしてあたしは口を開いた。
「新は、あたしの元カレの代わりにはなれないよ」