俺はキミの生徒
ゆっくりとあたしを離す新。
勘違い…されたかな?
新の顔を見ると俯いて、少し傷ついたような顔をしていた。
そんな新を今度はあたしが抱きしめる。
「新は元カレの代わりにはなれない。
あ…いや、ならなくていいの。
だってあたし、新が好きだもん」
ニッと笑って顔を上げると、新と視線がぶつかる。
恥ずかしくて、真っ赤に染まる頬。
新の顔も赤くて。
2人して顔を見合わせてクスッと笑った。
ぎゅっとあたしの背中に新の手が回る。
『やべぇ…俺、どうすればいいんだろっ』
なんて新の呟きが聞こえて。
「あたしだってどうしていいか分かんない」
そう言って新にぎゅっとしがみつく。
とりあえず今は離れたくなかった。
『加奈さん、意外に甘えん坊なんですね』
新はそう言いながら笑ってて。
「そうかも。
愛想、尽かさないでね?」
『尽かしません。
むしろ、もっと好きになっちゃいました』
そんな新の言葉に真っ赤になるあたし。
もう…新、恥ずかしげもなく、そんなことをサラッと言っちゃうんだから敵わない。