俺はキミの生徒
『じゃ、加奈さん。
帰りましょうか。
修司と柚木ちゃんに報告しに。』
ニヤッと笑う新。
そしてあたしに手を差し出す。
その手を握る。
新は満足げに微笑んだあと、自分のコートの中に握った手を突っ込む。
「ね?新?
あたしが何歳か知ってる?」
『もちろん。
23…ですよね?』
知ってるんだ。
知った上であたしが好きってこと…?
『俺、年の差関係しないタイプです。
……修司と一緒で。』
新はふっと優しく微笑む。
新って…天然じゃなかった?
こんなに、カンが鋭いタイプだったっけ?
そんなことを思いながら新の言葉にほっとするあたし。
ね、お姉ちゃん?
あたしは…年下の新から泣かせない、って。
大事にする、って言われたよ。
あのね、すごく…嬉しかった。
年の差って関係ないんだな、って今しみじみと感じてる。
だからさ、お姉ちゃん。
いつまでも躊躇ってないで、いっそのこと、修司の胸に飛び込んでみたら?
あたしは、そうしてくれること、願ってるから。
お姉ちゃん?
いつまでもそのキモチに気づかないフリは…してられないよ?
■ Side 加奈 終 ■