俺はキミの生徒
それから程なくして、倒れるように眠ってしまった柚木ちゃん。
「お姉ちゃん、今日は頑張った方だよ。
こんなにもいつも飲まないんだから、ホントは。」
むにゃむにゃ言いながら夢へと墜ちていく。
そんな柚木ちゃんを見ていると触れたくなった。
もしここに、加奈さんがいなかったら、触れていたかもしれない。
「修司、ホントお酒強いね~
将来が怖い、怖い」
加奈さんはあははと言いながら俺をからかって。
ホントに楽しそうだ。
『新で良かったんですか?
今ならまだ、やり直しききますよ?』
俺のそんな突然の発言に驚かない加奈さん。
「絶対聞いてくると思った~
残念ね、修司。
あたし、新がいいの。
新以外…考えられないの。」
そう、はっきりと言い放った加奈さんの顔は。
とても凛々しく、聡明で。
とても、真っ直ぐだった。