俺はキミの生徒
『……ちょっ…加奈さん?』
突然、加奈さんは腹を抱えてケラケラ笑い出した。
「いやぁ~…
もうホントに、修司とお姉ちゃんの会話は面白すぎる」
え?
笑うところなんて…あったっけ?
「なんかお互いがお互いのこと、気にし合ってんのに、2人とも必死で気づかないフリしてるような感じがさ、会話の中に見え隠れしてるんだよね」
そんなこと…ないだろ。
お互いがお互いのこと、気にし合ってる。
ってことは、柚木ちゃんが俺のこと気にしてるってことだろ?
んなワケ、ないだろ。
あくまでも俺は柚木ちゃんの生徒なんだから。
「あたし、目瞑ってようか?
今ならお姉ちゃんにキスしてもあたし、知らないフリしてあげる」
『な、何言ってんすかっ!!』
思わず大きくなる声。
キスしても…ってできるワケないだろっ!
「冗談に決まってるでしょー?
慌てすぎだよ、修司」
加奈さんはそう言いながらまた、腹を抱えて笑い出した。