俺はキミの生徒
「………あれ?修司?」
鍵穴に鍵を入れようとしたとき、突然、隣のドアが開いた。
そこから顔を出したのは加奈さんだ。
なんだかんだ、会うのは約2週間ぶりくらい。
『………どうもです』
あまり気分が乗ってない俺のあいさつは素っ気なくて。
でも、そんなことを気にせず鍵を回す。
「今日、学校は?
あるんでしょ?
お姉ちゃん、学校行ったよ?」
『体調悪くて』
咄嗟にウソをついた。
そう言えば…柚木ちゃん、どうなったんだろう。
きっと、これから好奇の目にさらされるんだ。
守ってあげたいのは山々だ。
でも、俺が出しゃばっちゃいけない。
なんせ、柚木ちゃんと付き合ってると思われてるのはこの俺なんだから。
加奈さんの不振そうな目をよそに家の中に入る。
そして鍵を閉めた。
加奈さんなら勝手に入って来そうな気がしたんだ。