俺はキミの生徒




「ここにいてもいい?」


うちのキッチンはバーみたいになっている。

柚木ちゃんはそのイスを指さす。



『どうぞ』

そう言うと柚木ちゃんは少し高いイスに苦労しながら座った。



『これ飲んで温まって』

俺は柚木ちゃんに煎れたばかりの緑茶を出す。



「ありがとう、修司。

いつになく優しいね」


『いつも優しいだろ』


なんて言いながら笑っていた。


良かった、だいぶ元気になったみたいだ。



俺は冷蔵庫の中から材料を取りだし、下準備。

今日は煮込む時間、そんなないからな…


あ、でも圧力鍋あるしそれで時間短縮しようか。


なんて頭の中で考えていた。

そうすると



「今日…ね」

柚木ちゃんが突然、話を始めた。


俺は顔を上げて柚木ちゃんを見る。

でも柚木ちゃんは顔を上げてはおらず、両手で湯飲みを包み込み、俯いていた。









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