俺はキミの生徒
「ねぇ…修司。
学校…行かなきゃダメ、かなぁ…」
俺は柚木ちゃんを見ずに言った。
『ダメだ、柚木ちゃん。
逃げるのはダメだと思う』
今日、逃げたのは紛れもなく、俺だ。
柚木ちゃんは必死に闘おうとしたのに逃げたのは俺だ。
だから、決めたんだ。
『俺は、もう逃げない。
明日はちゃんと学校に行く。
だからさ、柚木ちゃん。
逃げずに堂々と明日も授業してよ。
もうあと数回しか受けられないんだよ、柚木ちゃんの授業。
俺、柚木ちゃんの授業、スキなんだ。
だからさ、学校…来いよ』
最後は顔を上げて柚木ちゃんを見つめた。
柚木ちゃんとバッチリ視線が交わる。
「……仕方ないなぁ」
そう呟いた柚木ちゃんはふっと笑った。