俺はキミの生徒
七十五日
「……おいひぃ…」
圧力鍋を駆使して煮込む時間を大幅に短縮したカレー。
でも十分にうまいと思う。
俺は熱々のカレーを頬張る柚木ちゃんを見つめていた。
俺が、しっかりしなくちゃ。
柚木ちゃんを支えるのがもし、俺の役目なら俺は何を犠牲にしても柚木ちゃんを支える。
志帆に言われてあれだけ拒んだのに
今じゃ、そんなことを思ってる。
でもさ、いいじゃんか。
考えが180度変わっても。
好きな人を守りたい、支えたい。
そう思うのが普通なんだからさ、きっと。
「修司は食べないの?」
カレーに手を付けない俺を不思議そうに見つめる柚木ちゃん。
『あ、いや』
と呟きながらスプーンを手に取ってカレーを一口。
うん、なかなか上出来。
でもやっぱりしっかり煮込んだときのほうがうまないな…
なんて今日のカレーに評価を付ける。
「そう言えばさ、1回も聞いたことなかったけど、
修司のお父さんは何してる人なの?」