俺はキミの生徒
その日の柚木ちゃんの授業。
やっぱりいつもよりは元気がなかった気がしたが
それでも、昨日よりはだいぶ元気になったんじゃないかと思う。
それから1週間。
日に日に柚木ちゃんは前のように元気になった。
前のように笑うようになった。
どうやら、吹っ切れたようだ。
そしてその頃にはもう、あのウワサは陰をなくしていた。
しょせん、そんなものだ。
毎日いろんなことがある俺たちは
いちいち立ち止まってはいられない。
人の噂も七十五日
とはよく言ったもので75日経たずして柚木ちゃんのウワサは消えていった。
「よかったね、修司。
これで安心したでしょ?」
志帆はニヤニヤと笑いながら俺を肘でつつく。
『うっせーよ』
そう言うと
『うわぁ~
修司、照れてる~』
なんて新までもが俺をからかって。
『おい、コラ。
お前のあの話、加奈さんに言うぞ』
『あの話…?』
首を傾げる新。
そんな新にこっそり耳打ちをした。
『寝起きで間違えて志帆にキスした話』