俺はキミの生徒
最後の授業
『もう高2年かぁー…』
昨日、うちに泊まった新と学校へ登校している途中、新が呟いた。
『もうすぐ…だなぁ』
『何が?』
そう聞くと新は少し言いづらそうに言った。
『柚木ちゃんがいなくなるの』
『………ああ、そうだな』
もうあと柚木ちゃんの授業を受けられるのは片手で数えられるほど。
今は3月中盤。
少しずつ温かくはなっているものの、まだ風は冷たい。
『加奈が淋しくなるなぁ…って言ってた』
『……そうか』
1年間2人で仲良く生活してきたんだ。
突然、柚木ちゃんがいなくなったら淋しくなって当たり前だろう。
俺だって加奈さんと同じように
柚木ちゃんがいなくなるのは淋しい。
『修司はさ、言わないの?』
『何を?』
少しの間のあと、新は言った。
『柚木ちゃんに好きだ、って』