俺はキミの生徒
「ね?春谷くん。
なんかあたしの顔に付いてた?」
『え…?』
授業の途中。
教室をグルグル回る柚木ちゃんが俺のところへ来るとそう言った。
「いや、だってずっと見られてる気がしたから。
なんかヘンなものでも付いてるのかなー…って思って」
柚木ちゃんの後ろにいる志帆が隠れて笑っているのが見える。
ちくしょう。
また恥ずかしい思いさせられてる。
『別に。なんもついてないけど。
ってか授業中に先生見て悪い?』
「こら!修司!
柚木ちゃんにケンカ売ってどうすんの!?」
『別に売ってねぇーよ』
「まあまあ」
最終的になぜか柚木ちゃんになだめられる俺と志帆。
「とりあえずさ、修司。
もっと柚木ちゃんに優しくしなさい」
『俺は優しいよ。
な?柚木ちゃん』
そう聞くと満面の笑みで柚木ちゃんは頷く。
ってか、そんな笑みで頷かれると照れるんだけど…