俺はキミの生徒
「じゃあ…」
柚木ちゃんは開いた名簿を閉じる。
そして俯いていた顔を上げた。
「この間のウワサの話、してもいいかな?」
教室は少しざわついたがすぐに静かになった。
いったい、柚木ちゃんは何を話すつもりだろう。
新と志帆がそれぞれ俺を心配そうな目で見ていた。
「この話はくれぐれも外部に漏らさないでほしい。
他のクラスの子にも、他の先生にも、親御さんにも、言わないで欲しい。
あたしはみんなを信じてるから話すね」
きっと、柚木ちゃんとの約束を誰1人として破らないだろう。
なんせうちのクラスのヤツらはみんな、イイヤツだから。
柚木ちゃんは真っ直ぐ前を見つめて言った。
「新聞に載ってたことはほとんど…事実なの」