俺はキミの生徒





「その生徒はね、意地悪ばっかり言うし、口数はそんな多い方じゃないし。

いつも何考えてるのか分からないような人だった。


だけどね?いつも優しくてね、すごく頼りになって。

年下なのにお兄ちゃんみたいなの。


3日、その人と話せないだけで淋しい、って思った。

学校で女の子と話してるの見ると辛かった。


もし、このキモチが恋と呼べるのなら、

あたしは今回の転勤、決めて良かったって思うんだ」



教室にいる誰もが口を閉ざしていた。

まさかの発言に驚いてぐうの音もでなかったのかもしれない。


そしてそれは俺も同じだった。

柚木ちゃんがそんなことを思っていてくれたなんて考えたこともなくて。


今にも立ち上がって言ってしまいそうだった。



『俺、柚木ちゃんがスキなんだ』


って。









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