俺はキミの生徒
俺はキミの生徒
『新、言いたいことあるならはっきり言え』
その日の帰り道。
今日も加奈さんとデートだという新は仕事から加奈さんが帰ってくるまでの間、うちで時間を潰すらしい。
『…え?いや…別に言いたいことなんて…』
『ウソつけ。
んなモジモジしてるならはっきり言えよ。
こっちがイライラしてくる』
ま、そんなこと言いながらも何を聞きたいのか、俺は手に取るように分かるよ。
『え…それじゃあ…遠慮なく聞く。
修司…今日の柚木ちゃんの話、俺は告白だと思った。
志帆もそう思ったって言ってた。
で、どうするの?修司。
柚木ちゃんに…その…好き、って伝えるの?』
やっぱりな。
その話だよな。
ってかその話しかないよな。
『この間も言っただろ。
俺は自分のキモチを柚木ちゃんに伝えるつもりはない、って』
本音を言えば。
今、かなり迷ってるよ。
もしかしたら、柚木ちゃんを俺につなぎ止めておくことができるかもしれないんだから。