俺はキミの生徒
『意味…分かんないよ、修司。
どうして?どうして言わないの?
修司、前に言っただろ。
伝えないのはいろんな事情があるからだ、って。
それってフラれるのが怖いから逃げるための理由なんだろ?
でも、柚木ちゃんは修司が好きなんだよ?
フラれるワケないんだよ?
なのに…どうしてまだ逃げようとしてんだよ?』
新が俺の肩を掴み、必死の形相で伝えてくる。
俺は自分で自分が怖くなるくらいに、冷静だった。
『そんなの…分かんねぇーだろ』
ボソッと小さな声で呟く。
『え?』
新は聞こえなかったのか首を傾げている。
『だから、フラれないって保証はどこにもないだろ、って言ってんだよ
柚木ちゃんは、俺を忘れるために転勤を決めた。
ってことは、俺は忘れたい存在なんだよ。
なのに、そんなヤツから告白されても仕方ないだろ。
フラれる可能性はゼロじゃないんだ。
むしろ、80パーセントくらいの率で俺はフラれるかもしれないんだ。
なのに…告白なんてできねぇーよ』
『そんなこと言ったら…』
なぜか新は泣きそうな顔で俺を見ていた。
なんでお前が泣きそうになってんだよ…
泣きそうな新は大きな声で怒鳴った。
『そんなこと言ったら…っ!
フラれるって保証だってどこにもないだろ…っ!!』