俺はキミの生徒






「そんなことでケンカする?普通。

本人がしない、したくない、って言ってるならほっとけばいいのよ、新は。


ま、でも問題なのは新より、修司のほうだよ」


加奈さんの人差し指が真っ直ぐ俺を指す。



「あたし、お節介な性分なの。

今からいろんなこと言うけど悪く思わないで。


いい?修司。

自分の好きな人が自分を好きでいる確率ってすごく、低いの。


今、片思いをしてる人はきっと、両思いの人より数が多い。


ね、分かる?

自分がどれだけ恵まれてるのか。


修司はお姉ちゃんのことがスキ。

お姉ちゃんも修司のことがスキ。


もうこれは誰にも曲げられない事実。


告白してフラれるかもしれない。

その不安はよく分かる。


でも、告白しなきゃ何も始まらないんだよ?

想ってるだけじゃ相手には何も伝わらない。


言葉にしなきゃ伝わらないんだよ、修司のその気持ちは。



いいじゃない。

当たって砕けたって。

フラれて傷ついて、泣いたって。


それはカッコ悪いことなんかじゃなく、

すごくカッコイイことなんだから。


だって涙が出るほどその人が好きだった、ってことなんだもん。



そうでしょ?修司」









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