俺はキミの生徒
「この芸人さん、好きなんだ」
さっきからお笑い番組を見てケラケラと大口開けて笑っている柚木ちゃん。
『ふ~ん』
手を伸ばせば届く距離。
なのに俺はどうして手を伸ばすことができないんだろう。
そんなことばかり頭の中で考えていた。
【ピーンポーン】
インターホンが鳴り、ドアを開ける。
そこには柚木ちゃんそっくりの人がいて。
「加奈ぁ~!遅かったじゃない!」
後ろから柚木ちゃんがひょっこり顔を出す。
「あ、お姉ちゃん
姉がお世話になりました」
ふ~ん…この人が柚木ちゃんの妹か。
柚木ちゃんと違うのは…身長と髪型…それと、雰囲気くらいだ。
多分、この姉妹は妹のほうがしっかりしてるんだろう。