俺はキミの生徒
『俺、柚木ちゃんの生徒の春谷修司です。』
一応自己紹介。
そうすると加奈(カナ)さんはニコッと笑う。
「じゃあ先戻ってるよ、お姉ちゃん
ホントにありがとね、修司くん」
加奈さんは頭を下げると隣のドアへ入って行った。
柚木ちゃんはまだクズクズ帰る用意をしていて。
『どうして帰る用意にそんな時間かかるんだよ?』
思わず、そんな言葉が出た。
「いいじゃん、もとからなんだもん」
なんて柚木ちゃんはいじけて。
また嫌われるようなこと言っちゃったよ。
「じゃ、帰るね
また明日」
柚木ちゃんは靴をはき、ドアノブを握った。
『柚木ちゃん』
俺はそんな柚木ちゃんを呼び止める。
『俺のこと…嫌いなんでしょ?』