俺はキミの生徒




「それじゃあここ、明日までにやってくるように」


柚木ちゃんはそう言って教室を出て行った。


あ〜ぁ

終わっちまった。
1日1回の数学の時間。

柚木ちゃんをずっと見ていられる時間。



『新、今日さゲーセン行かね??』

机の中に手を突っ込み何かを懸命に探している新に話し掛ける。



『おっけ〜
どっちが多く取れるか勝負しよーぜ』

新は相変わらず机の中に手を突っ込んでいる。



『ってかさ、何探してんの??』

新は顔をあげる。


『眼鏡
見当たらないんだよ〜』

新は困ったように眉を下げる。

新は授業中だけ眼鏡をかける。
目が悪いらしい。


ってか新。

大丈夫か?お前…



『俺、さっきお前が眼鏡ケースにしまってんの見たぞ?』

俺がそう言うと新は顔を赤くする。

どうやら思い出したらしい。


やっぱ天然だ。

ま、そういうところが女子にうけるんだろうけど。





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