俺はキミの生徒
『あ、そうだ。
加奈さんは彼氏とか好きな人、いないんですか?』
きっと、さっきから新は気になっていたであろうことを俺は聞く。
そうすると加奈さんは顔を赤らめる。
「ふふっ
いるよ、彼氏」
……しまった。
聞くんじゃなかった。
『俺、トイレ』
新はスクッと立ち上がるとリビングを出て行った。
「なんか新くん、ヘンじゃなかった?」
加奈さんはそう言うが
『全然そんなことないと思いますよ』
俺は一応、そう言っておく。
まさか、好きになった初日で失恋とは…。
なんとも慰めがたい。
「そ?ならいいんだけど…
ってかお姉ちゃん遅いね」
それから新は10分経っても帰って来なかった。