俺はキミの生徒
その夜。
新はまだ落ち込み気味だったが、寝る前には完全に元気になっていた。
俺はまだ寝付くことができなくて、少し寒かったがベランダに出た。
「あれ?修司?」
隣からヒョコッと顔が出てくる。
『危ないから顔引っ込めて』
そう言うと柚木ちゃんは素直に首を引っ込めた。
「もう2時だよ?
寝なくていいの??」
『そっちこそ寝なくていいのかよ』
向こうのベランダから氷が溶ける音が聞こえる。
なんか酒でも飲んでんのか?
「あたしはいいんだよ。
だって大人だもん」
ニッと笑う柚木ちゃんが見えた気がした。
『大人ってそんな偉いのかよ』
小声で呟く。
柚木ちゃんには聞こえてないだろうけど。