俺はキミの生徒
「お酒呑んで忘れられることはそんな重大なことじゃない。
お酒呑んでも忘れられないことも…たくさん、あるよ」
『例えば?』
俺は意地悪だろうか。
柚木ちゃんに何を言わせたいんだろう。
「ふふ…そんなの秘密だよ」
柚木ちゃんは笑って言った。
『それは…俺が子供だから?』
柚木ちゃんは首を横に振る。
「違うよ。
あたしは修司のこと、子供だなんて思ってない。
もう立派な男性だよ」
俺はベランダにもたれる。
『なら教えてよ』
無理なことくらい分かってる。
でも、ホンの少しの賭けにでてみた。
「だーめ。
もっと素敵な男性になったら教えてあげる」