俺はキミの生徒
「慎くんに…逢いたいなぁ…」
空を仰いでいるであろう柚木ちゃん。
目で確認しなくても分かった。
『逢うなよ』
そう言えたら良かったのに。
代わりに言った俺の言葉は
『逢えると…いいな』
だった。
「あれ?意地悪言わないの?
逢えるワケねぇーだろ、って。」
言えるかよ。
んなこと。
『別に俺は毎度毎度意地悪言うほど捻くれちゃいねぇよ』
誤魔化すのに必死だった。
必死でいつも通りを装った。
ホントは叫びたかったんだ。
「柚木ちゃんのバカヤロー!!」
って。
だって柚木ちゃんに好きな人がいるってことは俺、失恋しちゃったんだ。
新と同じ、失恋。
なぁ新。
姉妹に同じ日にそろって失恋する俺等って…仲良すぎだな。