俺はキミの生徒
『にしてもさ、どうしたらこんなになるワケ?』
数学準備室には今、他の先生はいない。
放課後って言ったら普通、部活だしな。
「いやぁ…まあ…ね。
忙しくてさ。
片づけやろうと思ってもなかなかできなくて…」
あははと柚木ちゃんは笑う。
残念だけど、笑い事じゃない。
『柚木ちゃ~ん
これ、何?』
新が書類の山の中から写真を見つけ出し柚木ちゃんに渡す。
俺はそれを横から覗く。
「うわぁぁ?!
な、なんでもないよ!
今の写真、見なかったことにして!!」
写真には柚木ちゃんと男の人
2人は満面の笑みで。
2人の仲が良いことは一目瞭然だった。
『彼氏?』
気づくとそう聞いてる俺がいて。
新がクスクスと笑っている。
「そ、そんなんじゃないよ!
彼氏…今、いないし…」
柚木ちゃんの語尾が小さくなる。
んな慌ててて、説得力…ないんだけど?
やっぱ…彼氏、なのか。