俺はキミの生徒




『柚木ちゃんの彼氏、格好いいね』

俺はそんな意地悪を言う。


相変わらず新はクスクスと笑っている。



「だから彼氏じゃないってばぁ!!」

なんて柚木ちゃんは言うけど顔、真っ赤だぜ?

んな言葉、信じられねぇよ。



俺はそれから黙り込む。

だって頭にきたんだ。


別に彼氏いるならいる、って言えばいいだろ?

なのになんで隠すんだよ?


隠さなきゃいけない理由でもあるワケ?



『修司、顔…怖い』

新が耳元で囁く。


んなこと、知るかよ。

柚木ちゃんが悪いんだ。



チラッと柚木ちゃんに目をやると、柚木ちゃんも俺のことを見ていて。

交わった視線が気まずかった。






< 9 / 306 >

この作品をシェア

pagetop