三澤斗春とリッパー・ザ・ジャック。



「よし、思った通りだ」


覆面の男が客席の奥に消え、代わりに現れた生々しい返り血の服の男を見て、三澤が呟いた。


「そうすると、次は……」


雑誌のなるべく白紙の多い部分を切り取り、そこに『トイレに行け』と書き、三澤はこっそりと長倉に投げ付けた。




それを受けて、長倉が行動を起こす。

手を挙げて、ひとこと。


「せんせー、トイレー」



千歳くん、緊張感を持ってね。
殺されるよ、あなた?





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