それは運命だから・・・
 体が熱い・・・もしかして僕、死んだのかな


「んん・・・?」
 目が覚めると、目の前に中国刀が落ちていた。・・・血だらけの。
「これって・・・ホウロウがもっていた・・・」

「・・・?・・・」
 あれ?何かがおかしい・・・。僕、喋ってる?
アレンは、ふと後ろに振り返った。
「・・・!?」
 そこに写っていたのは、紫の犬ではなく{紫の髪をした人間の男の子}だった。

先ほど、ホウロウに切られたはずの腹は、綺麗に治っていた。
「なんだ・・・これ」
 アレンの手に、何かが握られていた。
 
 ・・・六角星の付いた玉・・・
 かっ・・・・!

突然、その玉が光だした。とても優しく暖かい光だった・・・。

体の底から、パワーが溢れてくる。

そして、体だゆっくりと消えていくのがわかった。
   ・・・・仲間のもとへ・・・・










・・・ガラ・・・

ゆっくりと、古い小屋の扉が開いた。
入り口には、白い袋をもったホウロウが立っていた。

「・・・アレン?」
 ホウロウはその場にしゃがみこんだ。
「・・・逃げたんだね・・・よかった・・・生き延びて・・・紫の犬・・・」
ホウロウの美しい顔が、わずかにゆがんだ。

中国刀に、アレンの血に加えてホウロウの涙が滴り落ちた。



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