それは運命だから・・・
「ピーチ!?」

そこに現れたのは、真っ白い着物に身を包んだ紛れもないピーチだった。
手には、何枚もの御札を持っていて、グレープを縄で締付けている。

「レモン・・・どうゆうことだよこれって・・・」
「いや・・・あれは・・・ピーチです。ピーチは呪符使いなんです。ピーチの能力は
御札で式紙(紙を術で人にしたり、或いは身代わりにしたり)をつくったり、術で攻撃したり・・・。とにかく、特殊な能力を持ってるんです」

「へぇ・・・」
・・・なんか、すごいな。ただの馬鹿じゃないんだ・・・

「何やってんだよ!グレープを離せよ!ピーチ!!」
「そうですよ!何してるんですか!?」

「・・・むーっむーぅー」
必死にグレープが何かを訴えようとしている。

「なにって・・・フロートを奪うんだよぉ?」
「フロートって・・?」
「僕たちが人間でいられるのに必要な欠片です。失ったら元の動物に戻り、人間であった感情もなくなります。それと、能力も奪われます」

ピーチの顔がだんだん引きつってくる。

「ピーチ・・・君がもし本気でグレープのフロートを奪うのなら、僕は本気で君と戦う」 

「いいですよぉ?レモンさん・・・」
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