それは運命だから・・・
 美術室に突進してきたのは、結木 風夜(ユイキフウヤ)。入学式の日、トイレで会ってからなぜかなつかれた。・・・正直、うっとうしい。

「結木・・・まだ、部活終わってないから・・・」
「ん~じゃぁ待ってるぅ」
「・・・廊下でな・・・」

 ドサ!!
「・・・・・・ッ!」

 危機一髪・・・もうちょっとで、俺のメガネに投げられたカバンが直撃だった。
「あぶねーだろ!方向音痴が・・・・」

 その一言を言った俺は・・・後悔した。

「そうなんか・・・お前も、俺を侮辱するんか・・・」
その顔は、どこかとても悲しそうだった。

「なぁ、部長さんもう今日の部活終わりやろ?」
「そうね・・・じゃあ、きょうはもう、終わりね」

 美さんのあいさつと同時に、明はものすごい勢いで美術室を出ていった。


「・・・」

 
 俺は見てしまった。明の瞳に写る、わずかな涙を・・・。
いつものあかるい笑顔の関西人、明からは想像できない表情だった。

それに気づいたのか、結木はうつむいたまま黙っている。


「さぁ、麻葉っち!帰ろうか!」

「・・・ぉう・・・」







































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