それは運命だから・・・
その言葉にグレープは顔をうつむかせる。

「動物ってなんか飼ってる?」
「・・・飼ってないよ・・・昔は紫の犬を飼ってた・・・というか友達だったけど」

「ねえ!その紫の犬のこと・・・大好きだった?」

いきなりグレープがホウロウの前に立った。
ホウロウはびっくりした顔をしていたが、ふっとその表情がやわらいだ。

「ああ・・・アレンの事は・・・だれよりも大好きだった」

「じゃあ・・・なんで・・・?」

グレープの目から涙が滴り落ちる。

・・・くそ・・・止めに入ったほうがいいか?

するとその様子を黙ってみていたキウイが、口を開いた。

「お前ら確か両方中国拳法得意やったよなぁ?放課後対戦したらどうや?」

「そうだったの!?月くんの拳法観てみたい!」

・・・ホウロウは一瞬黙りこむがグレープを見つめると笑った。

「いいよ。分った。対戦しよう」

「うん。分かった」

グレープは唇をかみしめた。

「ねえ・・・月くんだっけ」
ホウロウがグレープに話しかけた。
「君を見ていると、アレンを思い出すよ」
「・・・!?」
「いや・・・君には関係ないか。アイツ、今なにやってるんだろう・・・幸せかな?」
「・・・はい。きっとあなたが想像できないくらい幸せだと思います」

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