それは運命だから・・・
怒りと悲しみを拳にのせて
・・・放課後までの時間はあっという間だった。
決戦の場所は使われていない古い運動場だ。無論、草が生い茂っている。
「始まるよ!」
「いそげー!」

ぞくぞくと、噂を聞きつけた人が集まってくる。
そんな中、グレープが不気味に微笑んでいる。
「・・・はは・・・やっと復讐できるんだ・・・僕の今までのつらさをぶつけるんだ」

・・・いつものグレープじゃない。

「おい・・?グレープ?落ち着けよ・・・相手は人間だからな?」
「・・・ちがう。僕を裏切った悪魔だ」

・・・すると、俺の後ろから声がした。

「月くん・・・はじめようか」
「麻葉さん・・・見てて下さい」
「・・・」

・・・今のアイツは、危険な感じがしてたまらない。

いや、でも俺には見守ってあげることしか、アイツのためにできない。
今は、優しく見守ってあげるんだ・・・

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